北海道ツーリング5日目

旧三井芦別鉄道の炭山川橋梁へやってきました。

廃線になった鉄道の鉄橋上にディーゼルカーが展示されています。

ここなら誰に迷惑をかけるでもなく撮り鉄ごっこができます。

 

 深い谷にかかる橋梁上に車両が展示されていて、こういう見せ方は面白いなと思います。



 天気が悪いので、本日は屋内見学ものとして旧住友赤平炭鉱立坑跡を見に来ました。

 従来、日本国内で石炭を掘る場合、地面から斜めに坑道を掘って行く斜坑によって採炭されていましたが、海外の安い石炭に対抗するため効率的に採炭できるよう、立て坑を掘ってそこからエレベーターで人やトロッコを上げ下げするようにしたそうです。

建物上に見える滑車にワイヤーをかけてエレベーターを上げ下げしていたようです。

 

今は人が歩けるように板が渡されていますが、その下にはトロッコのレールが敷き詰められています。

いわゆるFOVEON物件の山なのですが、窓から入る明かりだけでは光が足りずFOVEONのカメラには厳しい状況です。

絞りを開けて更にFOVEONにとっては高感度のISO250まで上げて、ようやくどうにかブラさずに写真が撮れるといった具合です。

 

立て坑にエレベーターを下ろすためのエレベーターシャフトです。

能力的には地下1000mまでエレベーターを下ろすことができるらしいですが、実際の利用は800mくらいまで行われていたとのことです。

一口に800mと言っても、高さ方向だけならスカイツリーが丸ごと入って余りあるので、恐ろしい深さです。

画面の右に見えるボックス状のもので人やトロッコを地下まで送り届けていたそうです。

ボックスは3段になっていますが、各段に人やトロッコを乗せて一斉に輸送していたとのことでした。
 

 太い柱とトラス状の補強がシャフトの強度を物語ります。

 

炭鉱が閉鎖された月で止まったままのカレンダー。

日曜の赤字が色あせて読めなくなっているのが、月日の経過を物語ります。

 

画面に見える客車状のものは、ここで使われていたものではなく、斜坑で炭鉱夫を地下へ送るための車両ですが、せいぜいがジェットコースターほどの幅の車両に大の大人3人が横掛けに座るので、考えただけで息が詰まるような狭さです。


 

 

 施設の2階も見学をさせてもらえます。

  

 


  無骨なシャフトの力強さが何とも言えないです。

 


普通閉鎖された工場などは廃墟になる一方で、あくまでも私有地なので勝手に立ち入り出来ないだけに、こういった形で管理された遺構というのは本当に貴重だと思います。

見学はガイドの方の説明を聞きながらですが、説明を聞かずに写真撮っててもいいですとは言われたものの、さすがにそれは失礼だと思い、説明の合間や移動の途中で撮影しているので、いささか忙しいです。


 

見学は前後半に分かれていて、後半は炭坑内で使われていた機材を見せてくれます。

前半の立て坑だけ見て帰ってもいいということで、大半の人は前半だけで帰ってしまいましたが、特に行く当てもないので機材見学もしました。

ここに展示されている機材は整備のために地上に上げられていたもので、使用中だった機材は地下に置かれたままになっているということでした。 




この立て坑跡を見られただけでこの日は満足です。

いいものを見させてもらいました。


こちらは奔別炭鉱の立て坑跡です。

閉鉱時に事故があったりしたようですが、今ではすっかり廃墟状態です。

こちらも私有地で立ち入り禁止ですが、年に数回見学できる機会があるようです。

見てみたいのは山々ながら、北海道に住んでいない限り見学のタイミングで来るのは難しいところですね。

 

奔別から少し移動して変電所跡へやってきました。

こちらも廃墟ではなく、管理された遺構になります。


変電施設と管理用の建物が森の中に残されています。

管理されていないと、変電施設はあっという間に森に飲み込まれてしまいそうです。


貴重な遺構ですが、ガラスが割られたりイタズラが絶えないそうです。

地元のヤンキーなのか分からないですが、こういう遺構の大切さが分からないというのは、本当に残念なことだと思います。




建物前には、廃棄された碍子が積まれていて、ある種の墓標のようです。


変電所を出た後は、フェリーに乗るべく苫小牧へ向かいます。

日程的にはまだ余裕がありもったいない気もしましたが、天気が下り坂なのと体調不良で、無理しても楽しくないので撤退です。

最後に少しだけ時間があったのでミール展示館へ立ち寄りました。

ここに展示されているミールはいわゆる予備の本物で、いずこかの会社の社長がソ連から買い取ったものを苫小牧市に寄贈したものになります。

 展示物は子供向けの内容で、おっさんがうろうろするのも違和感がありますが、まがりなりにも本物の宇宙ステーションを見る機会なんて普通はないので、気にしないことにします。

 

ミールの中はさすがに狭く、壁一枚隔てた先には真空の宇宙という環境での長期滞在は、相当精神的にタフでないと厳しいだろうと思います。


 

ミール展示館を出た後はフェリーターミナルへ向かい、今回の北海道ツーリングは終了です。

9月は思ったよりも日が短く、ノープランで行ったこともあっていささか効率が悪かったかなと思いました。

また来れることがあれば、もう少し計画的に行動したいものです。


振り返ってみると、今回のツーリングの隠しテーマは「廃れたもの」だったかなと思うところです。


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